弁護士は広告で「専門」と名乗ってはいけない?

 投稿日時
2013/09/27 11:41:37
 最終更新日時
2013/09/27 11:41:37

なぜ「専門」と名乗ってはいけないのか

業務実績を見ていただければお分かりかと思いますが、私は法律事務所や弁護士の先生のお仕事を受任する割合が多くあります。
法学部でなかった私は法律について、弁護士の業務について勉強しなければならないことばかりなのですが、ある先生から「弁護士は広告で専門と名乗ってはいけない」と教えてもらったときには驚きました。
SEは「Web系が専門」、「専門はフロントエンド」のように名乗るので、それくらいは認められると思ったからです。

認められない根拠となるのが、日弁連が出している「弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針 [PDF]」というものです。
そこに以下のような規定があります。

第3 規程第3条によって規制される広告

2 広告内容で規程第3条上問題となる例

(11) 専門分野と得意分野の表示

ア 専門分野は,弁護士情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。
しかし,現状では,何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。弁護士として一般に専門分野といえるためには,特定の分野を中心的に取り扱い,経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解される。ところが,専門性判断の客観性が何ら担保されないまま,その判断を個々の弁護士にゆだねるとすれば,経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害もおこりうる。
したがって,客観性が担保されないまま「専門家」,「専門分野」の表示を許すことは,誤導のおそれがあり,国民の利益を害し,ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあることから,現状ではその表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト,プロ,エキスパート等といった用語の使用も同様である。
なお,現実に「医療過誤」,「知的財産関係」等の特定の分野において,「専門家」というに値する弁護士及び外国法事務弁護士が存在することは事実である。しかし,弁護士間においても「専門家」の共通認識が存在しないため,日本弁護士連合会の「専門」の認定基準又は認定制度を待って表示することが望まれる。

この後に続く部分も含めてまとめると、

  • 「得意分野」…弁護士の主観に基づくと国民は受け取るだろうからOK
  • 「取扱い分野」、「取扱い業務」…評価を伴わないからOK
  • 「専門分野」…何をもって「専門」とするかの基準がないためNG

となります。

他に禁止されている広告

弁護士は2000年まで広告が自由化されていなかったという、広告に関して厳しい分野です。
弁護士職務基本規程第9条第2項には「品位を損なう広告又は宣伝をしてはならない」とあり、集客を考えるよりもまず品位を考えるべきとされています。

他にもこの運用指針では

  • 閲覧者から紹介料を取る広告は禁止
  • 勝訴率を書いてはいけない
  • 実体が伴わない団体、組織を表示してはいけない
  • 脱法行為を助長する広告(「法の抜け道を教えます」など)は禁止
  • サンドイッチマンやネオンサインによる広告は禁止

など、弁護士だけではなく、弁護士に広告を薦める側も見ておくべき内容が書かれています。

最近の広告は集客ありきで、「汚い」広告も見ることが増えてきました。
ですが弁護士、法律事務所の広告においてはそういった考えを止めて、事実を魅力ある見せ方で宣伝するやり方を行うべきであると思います。