法律

  1. 2016/10/21 【IT, ブログ, 法律】 著作物として認められるデータベースの作り方について考える

    前回の記事「著作物ではない有償の情報を無断でデータベースに組み込んだ行為が不法行為でないとされた事例ー東京地裁平27.2.13(平24ワ24738)」では、東京地裁平27年2月13日判決(平24ワ24738)を見て、データベースの複製について検討を行いました。 今回はその派生として、データベースが著作物として認められるための要件について、そして著作性が認められるデータベースとはどのようなものなのか考えたいと思います。 データベースが著作物として認められるための要件 著作権法 まず、著作権法でどのようにデータベースが定義されているか確認してみます。関連しそうな部分は以下になります。 著作権法 (...

  2. 2016/07/08 【ブログ, 法律】 著作物ではない有償の情報を無断でデータベースに組み込んだ行為が不法行為でないとされた事例ー東京地裁平27.2.13(平24ワ24738)

    有償のデータベースのコピーについて争われた事案 判例時報2292号を見ていたところ、データベースに関する判例を見つけました。有償のデータベースを(意図的ではなく、部分的にしろ)コピーして別のデータベースを作成した行為について、不法行為ではないとされた事例です。クローラでの情報収集など、ネット社会ではありそうな事例かと思います。 後で詳しく触れますが、データベースは著作物として保護されません。それでも侵害された行為を不法行為として認めたものに、判例時報にも載っていますが東京地裁判決平成13年5月25日があります。この判決では、著作物でなくても不法行為が認められる場合として、「…そのデータベースを...

  3. 2015/05/12 【ブログ, 法律】 SQLインジェクション判決は他にもあった-東京地裁平成19年(ワ)16258号-

    「例の」SQLインジェクション判決 広がりと収束 2月に書いたSQLインジェクション脆弱性の有無が重過失の判断に影響を与えた判決という記事は徳丸先生に言及いただいたり、オワスプジャパンのスライドでこの判決のことが取り上げられていただきました。 例の判決の大変詳しい分析 / “SQLインジェクション脆弱性の有無が重過失の判断に影響を与えた判決 | 株式会社クロスジール” http://t.co/AeMRNvoZWS— 徳丸 浩 (@ockeghem) March 22, 2015 あの記事は、自分の中で要素を網羅したいという動機があったため長く読みにくい記事となっていたため、もうちょ...

  4. 2015/04/09 【ブログ, 法律】 Googleストリートビューは何故違法性を有しないと判断されたのか-福岡高裁平二三(ネ)四三九号-

    思うところがありまして、本日は福岡高裁平二三(ネ)四三九号を取り上げたいと思います。 判例時報2234号で紹介されている判例で、「ストリートビューと題するサービスにおける画像の撮影及びインターネット上への公開行為が不法行為上の違法性を有しないとされた事例」と紹介されています。 なお先に述べておきますが、この記事は私の考え整理も兼ねているため、長い上に誤りがある可能性があります。本件についてもっとポイントを絞ってお知りになりたい方は、伊藤雅浩先生の下記の記事をご覧いただくのが良いでしょう。 ・グーグルストリートビュー控訴審 福岡高判平24.7.13判時2234-44|IT・システム判例メモ Go...

  5. 2015/03/06 【IT, ブログ, 法律】 ラックの扱われ方に見る脆弱性調査のあり方

    SQLインジェクション判決が広まりを見せています 先日、以下の記事を書きました。 ・SQLインジェクション脆弱性の有無が重過失の判断に影響を与えた判決  http://www.crosszeal.co.jp/blog/20150209_sqlインジェクション脆弱性の有無が重過失の判断に影響を与えた判決.html この記事にも書いたとおり、北海道大学の町村先生、HASHコンサルティングの徳丸先生のエントリでこの件を知りブログを書いたわけですが、同じ方々も多いようで、この判決に関する情報や意見が検索で多くヒットするようになりました。 中には「脆弱性が一つでもあったら損害賠償が認められる」といった誤...

  6. 2015/02/09 【ブログ, 法律】 SQLインジェクション脆弱性の有無が重過失の判断に影響を与えた判決

    ソフトウェア製作者に衝撃が走った判決 2015年1月中旬、北海道大学の町村先生、HASHコンサルティングの徳丸先生による下記のエントリが話題になりました。 2015/01/13 privacy:個人情報漏洩で脆弱なシステムの責任をソフトメーカーに問う事例 http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2015/01/privacy-8cc8.html 2015/01/22 SQLインジェクション対策もれの責任を開発会社に問う判決 http://blog.tokumaru.org/2015/01/sql.html これは東京地裁平成23年(ワ)32060...

  7. 2014/12/10 【ブログ, 法律】 マイナンバー法を知るための資料をまとめてみた

    マイナンバー法の施行が迫っている いろいろなところでも注意喚起されていますが、マイナンバー法(正式には「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」)の施行が2016年1月に迫っています。 マイナンバーを付与される個人は2015年秋の通知を待つだけでいいのですが、その他の企業はそうはいきません。それまでに十分な準備をしておく必要があります。 マイナンバー利用までに企業がするべきこと 法人が何をすべきかについては、その企業がどういった業務を行っているかによります。大まかに言うと以下の通りです。 企業年金、健康保険などの個人番号利用事務を行っている法人 情報保護評価を行い、...

  8. 2014/09/02 【IT, ブログ, 法律】 プログラムの著作権はどのように認められるのか|平成21年(ネ)第10024号に見る著作権の認められ方

    プログラムの著作権 2014/09/01発行の判例タイムズ1402号を見ていたら、エンジニアとして無視できない判決が出ていました。 判決は平成24年1月に出ており新しいものではありませんが、なかなか面白いです。 この裁判は プログラムの著作権が原告にあること 被告はプログラム使用料を原告に支払うこと を求めたものですが、結論としてプログラムの著作権は原告には認められないとされました。 著作権が無いと判断された要因が、コメントの有無です。エンジニアの方には信じられないかも知れませんが、見てみましょう。 プログラムに著作権が認められる場合 そもそも、著作権が認められる「著作物」とは何なのでしょうか...

  9. 2014/08/18 【ブログ, 法律】 エンジニアも知っておくべき「不正アクセス禁止法」|簡単に越えることができる一線

    エンジニアも知っておくべき「不正アクセス禁止法」|簡単に越えることができる一線

    エンジニアだから法律に関係ない…とは言ってられない世の中に 最近ブログに書くネタがないため放置しているのですが、その間にApacheの設定ミスにより一週間記事が見られなくなっていたりしたので、反省も込めて記事を書いてみようかと思います。 私はIT業界と法律業界の隙間に生息しているエンジニアのなれの果てですが、そんな私だからこそ、「この法律はエンジニアも知っておいた方が良さそうだなあ」と思うことがあります。 ここでは、何回かに分けてエンジニアも知っておくべき法律をご紹介していきたいと思います。 まず第一回はタイトルの通り「不正アクセス禁止法」です。 不正アクセス禁止法とは いわゆる「不正アクセス...

  10. 2014/06/19 【ブログ, 法律】 芸能人が契約トラブルになった事例を調べてみた

    お金があるところにトラブルあり 私は弁護士の先生と仕事をさせていただく機会が多いのですが、一般人にしろ有名人にしろ、契約でもめることは多いようです。契約のもめ事が悪化すると、一般人ならばそれが残業代問題や不当解雇になりますし、有名人なら契約不履行や契約解除になります。 先日も「そういえば○○さんって、最近どうしてるのかな」と芸能人の方をWikipediaで調べてみたところ、契約問題でもめていたことを知りました。 というわけで、他にどんな人が該当するのか興味を持ったので調べてみました。 以下、順不同にケース毎に分類してみました。 なおこれらはWikipediaなどネットで検索できるものから得た情...